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深い川

管理人が描いた、wet、着衣入浴など、服を着たまま濡れた女の子の絵をさらすページ

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島へ

「早速だが、これから特別授業を始める」
そう言うと、菅は入ってきた扉を閉めると、プールの真ん中の島へと架かる橋へと歩いていく。
二人も無言のまま、その後へと続いていこうとした。
すると、菅は突然片手を軽くあげ、二人を制した。
「君たちはあちらを使うんだ」
そういって指差す先には、水際に手漕ぎボートが二艘浮かんでいた。
「はぁ?何で橋があるのにそんなめんどくさい…ってちょっと先生!?」
菅は、川合の抗議の声を無視すると、一人だけ橋を渡って行く。
「…誰があんたの命令なんか聞くかよ!ばかばかしい」
川合はそう言うともと来た扉を開けようとする。しかし扉は固く閉まったまま、びくともしない。
川合は何度か押し開けようとしたが、やがてあきらめると菅の方へ向き直り、橋の方へと駆け出す。
しかし突然、機械音と共に、橋が沈みはじめた。
どんな仕掛けなのか、菅が歩いた後から順番にプールの中へと吸い込まれていく。
川合はあわてて岸辺へと戻るしかなかった。
「さあ、選びなさい。素直に授業を受けるか、そこでそのまま何もしないままでいるか」

深井は憂鬱だった。
一緒にいる彼女はとても友達になれるようなタイプではなかったし、突然変なところへ連れてこられるし、漕いだ事も無いボートで島へと渡らなければならないらしい。
ただ、岸辺に立ってぼーっと、遠く見える島を眺めているしか出来ないでいた。
「どうしたのよ、あんた行かないの?」
そんな深井に、ボートに乗ってオールを握った川合が声をかける。
「…うん…行くけど…」
「そう、じゃああたしは先に行ってるから。行ってあのやろーを一発ぶん殴って、はやくこんなばかげたことを終わらせてやるんだから」
「…そんな…殴るなんて…」
深井の答えを聞かないうちに、彼女は勢いよくオールで岸辺を押し、さっさと先に行ってしまった。
これで、どうやら一緒に乗せてもらう事も出来なくなった。
「…なんで、一緒に行こうとかって言って…」
一人そうつぶやいて、深井は頭をふった。
そのつもりなら、そう自分で言えばよかったのに。
深井はため息をつくと、よろよろと慎重に、ゆれるボートに乗り移った。
オールを握り、島を見据えると、視線の先にはすいすいと先に進んでいく彼女の姿があった。

プールの半ばまで進んだ頃だった。
「ひゃっ!」
足の先に感じる冷たさに、思わず深井は声をあげた。
「な、なにこれ…」
言うことを聞かないオールを扱うのに夢中で、今の今まで気が付かなかった。
浸水している。
「う、嘘でしょ…ちょっと、先生!!これ沈んでる!」
深井は何度も菅に助けを求めた。しかし何の返事も返ってこない。
そうこうしているうちに、水はどんどん船の中へと入ってくる。



「いや…いやぁ!誰か!ねえ誰か助けて!」
深井は水から逃れるように足を上げ、目をつぶってオールを抱えたまま、ただ助けを叫ぶしかできないでいた。
「もうやだ!何なのよ!誰か助けてよ!」
そうして頭を抱え耳を塞ぐ。
目を閉じる前に見たプールの、底の見えない濃い藍色を思い出す。小学生の時、プールの時間に同級生に沈められた事を思い出す。深井の目から涙が流れた。
そんな間も、水はどんどんボートの中へと入ってくる。とっくにくるぶしを超え、とうとう、尻の辺りをひたひたと冷たい感触が濡らす。
もうだめだ、このまま私はこの暗いプールの中に沈んで、苦しみながら、もがきながら死んでいくんだ。
深井がそう観念したときだった。
「漕いで!」
あの、嫌な子の声が聞こえた。
「何してんのよ!はやく漕いで!」
「あ…ね、ねぇ!お願い!お願いだから助けて!」
「無理!あたし泳げないの!」
「は、はぁ!?」
「頑張って漕いで!でないとあんた死ぬよ!」
「…」
深井は絶句していた。あの子は当然、泳げるものだと思っていた。
だからどんどん、進んでいけるんだと思っていた。
「あなた、泳げないの」
「そうよ!だからはやくこっちに来て!ほら、もいちょっとなんだから!」
見れば、先ほどまでの印象とは違う彼女がいた。クールな意地悪そうなイメージとは程遠い必死な形相で、島の波打ち際からオールをこちらに伸ばしている。
「…」
「はやく!なにやってんの!漕ぎなさい!」
「は、はい!」
深井は漕いだ。必死になって漕いだ。
浸水は止まらないが、船もまだ完全には沈まない。
まだ漕げる、まだ終わっていないんだ。
めちゃくちゃにオールを動かす。水しぶきが顔にかかっても、構わず漕いだ。
そうして、ついに沈みかけた船から、深井は川合の伸ばすオールをしっかりと掴むことに成功した。

引っ張りあげた勢いで、しりもちをつく川合。
息をきらせ、岸辺にそのままへたり込む深井。
「…はぁ、助かった…」
「…全く、何してるのよ!見た目どおりにどんくさいんだから!」
「あは、あはははっ!貴方は見た目と違ってたわよ」
深井は弾む息のまま笑った。笑った顔のまま、罰のわるそうな顔をする川合を見つめた。
濡れて冷たい足も、スカートも気にならないくらいに、何だか暖かい気持ちがひろがっていくのを感じた。
「…なんだ、ちっとも意地悪じゃないじゃない…ふふっ」
「…いいからはやくあいつをみつけなきゃ」
「あ、ねぇちょっと待って!」
「…何よ」
「貴方の名前、何ていうの?」


どうも、駄文長文失礼しました
二回目の更新です
というか、誰もコメしてくれないのね…(TT)
…まぁ、こっちも更新できなかったっすからね…ルールもいまいちわかんないと思うし…

とりあえず、時間とか締め切りはいいので

この後二人にどうなってほしいのか!?

それだけでいいので、コメントしていただける方、お願いしますm(__)m

まだ続くぜ!明日も続くぜ!!

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